聞いている人の2、3割しか知らないような知識や情報を持っていると、いつでも使える朝礼のスピーチを組み立てることができます。スピーチサンプルをいくつか紹介します。情報提供パターンのスピーチは、仕入れたネタが中心のスピーチですので、ネタさえ見つかれば、 朝礼一言 スピーチは簡単です。
 
⇒ <目次>スピーチ上手になるコツ
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情報提供でいつでも使えるスピーチを準備しておく

情報提供パターンの注意点

重すぎないネタにする

自分の持ってる、あるいは最近仕入れたちょっと仕事に関わる知識やノウハウを提供するパターンです。コツはちょっと仕事に関わる情報であることです。どっぷり仕事に関わる情報にしてしまうと、朝礼の空気が重くなるのでそれは避けましょう。

がせネタを提供しない

ネタの目安は、2~3割が知っている程度のネタでかまいません。中には自分よりもそのネタに詳しい人がいるかもしれませんので、基本はネタ元に忠実に紹介することです。ネタ元が本や雑誌の場合はある程度信頼できますが、ネットの場合は、適当な情報も多いので、同じキーワードでいくつかのサイトを確認しておきましょう。全員にガセネタを広めては、信頼を失います。

上から目線に注意

また情報提供はうまく切り出さないと上から目線の話になります。「自分も最近仕入れた情報を提供する」というのが基本スタンスです。
これは、最近読んだ本(雑誌)とかネットの情報とか、だれそれがテレビで言ってた、とかです。
※ネタ元が日経新聞やYahooのトップニュースだと、知っている人の方が多いのでこれは避けましょう。

情報提供の場合の話の構成

情報提供パターンのスピーチの構成は、(1)情報の概要、(2)情報の提供、(3)まとめ の3つです。このうち(2)の情報の提供がメインになりますので、スピーチのボリュームの目安としては、
(1)概要:(2)情報:(3)まとめ で
2 : 7 : 1  の割合です。

(1)情報の概要

具体的な情報の前に、ざっくり何に関する情報なのかを話しておくと、話が伝わりやすくなります。情報が整理できているなら、「ご紹介する情報は3つです。」とか、最初に言っておくと、聞く方も楽です。これは情報のカタマリが複数ある場合で、カタマリは多くても3つです。

(2)情報の提供

提供する情報の中身です。だらだらと説明せずに箇条書きイメージで紹介します。
最初に「3つです」と宣言しているなら、「最初は」、「2つ目は」、「最後は」を頭につけると分かりやすくなります。

(3)まとめ

この情報がどんな役に立つか自分の考えを付け加えてまとめます。基本は「自分はこの情報をこう役立てたい」です。聞いている方に役立てることを勧めるような話し方をすると、それこそ上から目線になってしまいます。
提供する情報が本題なので、最後のまとめは簡単にしましょう。もし上手くまとまらないなら「今日は〇〇の話をご紹介しました。」というと、どんな話もスンナリ終わります。

情報例

1.人にもナワバリがある

(1)概要

犬が電柱でオシッコするのは自分のナワバリを示すため。人にも隠れたナワバリがあり、これはヤクザだけではない。

(2)情報

パーソナルスペース

  • 相手との関係によって距離が変わってくる
  • 知らない人だと2メートル以上開ける
  • 知人だと1メートル
  • ごく親しいひとだと50cm
  • この距離感を知らずに、親しくもないのにいきなり50cm以内にいくと嫌われる
  • 方向にも意味がある
  • 正面だと敵対やガチンコ勝負
  • 味方は左側、敵は右側
  • 頼み事の場合は、上司の脇から

(3)まとめ

頼み事とかにこの距離感を使うとうまく行きやすくなる。

スピーチ例1

今日は、最近ネットで仕入れた情報で、「人のナワバリ」についてご紹介します。
人のナワバリというと、何とか組とかの情報のようですが、今日ご紹介するのは、物理的な距離によるナワバリです。
基本は、腕を広げたときの長さで、互いに腕を伸ばしても触らない長さ、ざっくり2mぐらいですが、この距離は、他人の距離なんだそうです。
これが短くなって、手を伸ばせ相手に触れるぐらいの距離、1mぐらい、これが知り合いの距離だそうです。
この2m~1mの間にその人の身体的ナワバリがあるそうです。
この距離が1mを切ってくると、親しい人、親友、恋人の距離になってくるそうです。
こうした距離感をパーソナルスペースというそうです。

親しくなることを「距離を縮める」といいますが、文字どおり、相手のナワバリに踏み込んで行くほど、早く親しくなることができるということでした。

ただし、例外があり、満員電車とか、エレベーターの中とか、ナワバリを取れない状況だと、人はナワバリをあきらめ、自分の殻に閉じころうとしますので、満員のエレベーターで親しくなろうとすると逆効果になりますので、ご注意ください。

スピーチ例2

人と向き合う位置によって意味合いが違ってくるという話を入手しましたので、それをご紹介します。

対決する場合や、相手を緊張させたい場合、たとえば新卒の圧迫面接なんかの場合は、正面で対峙するのが基本だそうです。なるべく相手との距離をとり、こちらの人数を相手よりも多くすることで、相手に与えるプレッシャーを強くすることができるそうです。

正面から話すことは、相手との対立につながりますので、商談でテーブルをはさんで話をする場合は、対立感情を生まないよう、互いに斜めになるように座るのがコツだそうです。

斜めに座るよりもいいのは、相手の90度の位置に座ることで、そうすると親密な関係を築きやすくなるそうです。頼み事やお詫びするときにこのポジションがとれれば、うまくいく確率が上がるそうです。

どの程度効果があるのかは保証できませんが、今度、鈴木課長にミスの報告に伺うときは、横からにしようかと思っています。

参考

相手との距離には隠れた法則がある

2.感情は知らず知らずにカラダで表現される

(1)概要

ボディーランゲージ:言葉を口にしなくても、態度で相手の感情が分かる

(2)情報

  • 警戒心の強い人、相手の話を受入れたくない人は、相手の前で腕を組む
  • 何かやましいことや隠し事があると、机の下やポケットに手を隠す
  • 自分を大きく見せたい人は、人と話すとき、後ろで手を組む

(3)まとめ

自分も腕を組むのがクセなので、誤解されないようクセを直したい。

スピーチ例

目は口ほどにものをいう、という言葉がありますが、眼だけでなく、カラダのいろいろなところで相手に対する気持ちを示してしまうそです。これをボディランゲージというそうですが、ネットで紹介していましたので、その中で覚えている3つご紹介します。

ひとつ代表的なのが腕を組むといったポーズで、これは拒否のポーズだそうです。相手の話や行動を簡単には受け入れたくないときは、知らず知らず腕を組んでしまうそうです。

二つ目は、後ろで手を組むというポーズです。これは実際に偉い人か、そうでなければ自分を大きく見せたいときに自然とでるポーズだそうです。

最後は、ポケットに手を突っ込むです。これは相手に対して、隠し事がある、やましいことがあるときのポーズで、少なくとも相手に対して尊敬しているポーズには見えません。

私もときどきポケットに手を入れることがありますが、私の場合は、単に寒がりなだけですので、その場合は、大目に見てください。

今日は、最近仕入れたボディランゲージの話でした。

参考

ポジティブになる行動習慣

3.ヒヤリハットの法則

(1)概要

大事故は何の前触れもなく起きるのではなく、その前から兆候がある。

(2)情報

1件の重大事故が起きるまでには

  • 29件のちょっとした事故が起きており
  • さらに300件のヒヤリとしたり、ハットしたことが起きている
  • 300件のヒヤリハットを無くしていくことで、事故や重大事故を防ぐことができる

(3)まとめ

小さなミスを起きないようにしていくことで、大きな事故を防ぐことができる。

スピーチ例

最近仕入れた知識で、なるほどと思ったことがありますのでご紹介します。
ご存知の方も多いかと思いますが、それはハインリッヒの法則と呼ばれるものす。
ハインリッヒさんは1920年ころアメリカの損害保険会社に勤めていた人で、事故の発生を分析するなかでこの法則を見出したものだそうです。

それによると1件の重大事故が起きるまでには、29件のちょっとした事故が起きており、さらに29件のちょっとした事故が起きるまでに、300件のヒヤリとしたり、ハットしたことが起きているというものです。

最後の300件のヒヤリしたことやハットした、ちょっとした事故の芽を摘み取っていくことで、重大事故の発生が防げるとしたものです。日本ではハインリッヒの法則というよりも、ヒヤリハットの法則といった方が知られているとのことです。

重大事故は、いきなり起きるのではなく、300個の小さい予兆があるということだと思います。日々の小さなミスを減らしてくことで、鈴木課長にお詫びするような重大事故を起こさないようにしたいと思います。

参考

押さえておきたいビジネスを支配する法則

4.ぶつからない話

(1)概要

歩いていてよく人にぶつかりそうになるが、ぶつからないようにするルールがある

(2)情報

  • 日本だと車は左側通行だが、アメリカ等、海外は右側が主流
  • ハンドルの側にセンターライン
  • センターラインのない、海や空は右側によけるのが国際ルール
  • 日本はもともと人は左側ですれ違う習慣、江戸時代のなごり
  • 山の場合は、右左関係なく、登る人優先

(3)まとめ

歩いていてぶつかりそうになったら、右側によけましょう。

スピーチ例

昨日も廊下で田中さんとぶつかりそうになったので、今日はぶつからないための話をしようと思います。今日の話は、口論とかケンカとかいう話ではなくて、物理的にぶつからないための話です。

日本だと車は左側通行で、センターラインを挟んで車は左側通るのが決まりです。ご存知のようにアメリカなど多くの国は、車は日本と逆に右側通行になっています。
日本では、センターライがない道で車がすれ違う場合も、それぞれが左側を通るルールです。
それでは、空とか海の上か、センターラインが無い場所で、正面から飛行機とか、船が来た場合ですが、この場合はそれぞれが右側によけるのが国際ルールで、日本でも空や海は右側通行だそうです。

日本で車が左側通行になったのは、イギリスをモデルにしたからだそうですが、日本で人がすれ違う場合は、もともと左側通行が習慣だったそうです。これは何故かというのがこの前書いてありまして、それによると、武士同士がすれ違うときに右側通行だと、すれ違ったときに誤って刀のサヤがぶつかる恐れがあるからだというものでした。武士じゃなくても農民の場合でも、担いでいるクワの端っこがぶつかるのでやはり自然と左側通行になったとのことでした。

右を通るか左を通るか、ときと場合によりますが、例外もあります。それは山登りのときです。山登りのときは、登る人のペースを乱さないというのが優先されて、登る人と下りる人が狭い道で出会ったときは、右左ではなく、登る人に道を譲るというものです。
これは会社でいうと、階段でぶつかりそうになったときは、下におりる人が、道を譲ってすれ違うようにする、ということなのかなと思いました。
 
(次ぎ)6 ミス・失敗 ミスしたときの対処、失敗しないために
(戻る)朝礼スピーチの組み立て方

5.1 スピーチがうまくなる3つのコツ
5.2 スピーチで緊張しそうになったら
5.3 いきなりの自己紹介を乗り切る5つの項目
 

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