あなたの会社にはどれぐらいの人数が働いているでしょうか。個人企業や家族経営なら部署など必要ないけれども、ある程度の人数が集まって会社を作ると、そこには人と機能をまとめる単位として、部や課が必要になります。

会社の基本機能は3つ

会社の基本は①何かを作って{製造/サービス}・②それを売って{営業}・③お金を清算(回収・支払・納税)する{経理}です。この3つの機能が基本です。少人数の経営なら一人何役でこなしますが、ある程度の人数が無駄なく仕事をしていくには、担当を明確に分けて仕事を分担する必要があります。分担する人が多くなれば、製造部、営業部、経理部といった具合に担当を部署に振り分けます。さらに大きくなれば、製造から研究開発や品質管理部署が分かれ、営業から企画やコンサルティングが独立し、管理部門は経理だけでなく、人事、総務、財務、経営企画、法務といった機能に分かれていきます。

業務分掌

ネットでも検索できますが、業務の分担を明確にするものとして「業務分掌」といったものがあります。業務分掌は、総務だの人事だののやるべき業務をまとめたものです。
部署が増えてくると、それぞれの部署の役割を明確にしておかないと、同じ仕事を複数の部署でやってたり、やるべき仕事をどこの部署でもやっていなかったりといった不具合が発生します。このため各部署の責任範囲を決める業務分掌が必要になってきます。
※似たようなものに「職務分掌」というものがあります。業務分掌が営業部や経理部といった部署に関する規定なのに対して、職務分掌は、営業部長や経理課長といった人、役職に対する役割・権限の定義です。

猿マネで組織を作るな

本やネットの業務分掌集とか、そうしたものは各部署の業務範囲を決める上で参考にはなりますが、それに忠実に決める必要はありません。そもそも会社にとって必要なのは、モノやサービスを作る、それを販売する、お金を清算する、といった「機能」なのであって製造部や営業部、経理部といった「部署」そのものではありません。必要な機能を担当する部署であれば、その名称は何でもよいし、どんな機能を会社が持つかは、それぞれの会社が決めることです。(※もちろんどんな会社でもなくてはならない機能はありますので、そうした機能の漏れがないかを確認するのに、一般的な業務分掌集は役立ちます。)

役割が部署となって、部署間の指示命令系統が整理されると、それが会社組織になりますが、会社組織は、ネットや教科書の業務分掌集から作りだされるものではありません。組織は機能の結合体であり、どの機能を持つかは会社が決めることであるように、どういった組織にするかは、会社が決めることであり、他の会社の猿マネで作るものではありません。

 
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