あなたが選挙に出ているなら、どんな形であれ議論には勝つ、または勝ったような印象を残す必要があります。また敵対している相手と議論する場合は、議論に勝つか、または負けない(引き分けか、時間切れに持ち込む)ようにすべきです。

ビジネスの場で勝つための議論は不要
ただし、ビジネスの場においては、議論に勝つことは、だいたいの場合は得策ではありません。勝ち負けがハッキリするような議論はなおさらです。

チームの中の議論で相手を打ち負かすようなことをすれば、その後の協力を得ることが難しくなるだけでなく、負けた相手はあなたの失敗を望むようになります。また相手以外の人はあなたにフランクに意見を言うことをやめます。

ただのバカ
もし議論の相手が取引先、商談相手なら、相手が負けを認めざるを得ないような議論をすれば、あなた、またはあなたとあなたの会社は、いずれ取引先を失うだけです。そんなことをするのはただのバカです。

建設的な結果を出すために議論する
ビジネスでの議論は、相手と自分にとってよりよい方向性を導きだすための手段です。勝ち負けをそこに持ち込むのは間違っています。どちらが正しいかを決めるような議論は無意味です。どうすればよりよくなるのか、よりゴールに近づくのかを議論すべきです。

課題の洗出しができた。問題点が明確になった。手順がより具体的になった。次の方向性が定まった。などなど、議論する前よりも状況がよくなっていなければ、議論する意味がありません。

ゴールを見失わない
もし議論が勝ち負けモードになりかけたら、一旦冷静になって、議論の目的・ゴールを再確認してください。そこから議論の方向性が目的に向かうよう軌道修正してください。目先の勝ち負けに固執して、本来の目的を見失っては、議論をする意味がありません。

いちいち反応してると相手のペースにハマるだけ

ビジネスの議論に勝ち負けが必要ないとわかっていても、議論を勝ち負けでしか進められない人種も存在します。そんな人たちは挑発的な問いかけや物言いでこちらを自分の土俵に引き込もうとします。

そんな人たちに対しては、相手の問いかけや言い方にいちいち反応しないことです。相手の問いにいちいち答えていては、相手のペースになるだけです。

すぐに答えない
そんな相手には、問いにすぐに答えるのではなく、「そうですね」と答えておいてから、議論の持っていきたい方向の発言をする。返答が相手の答えになっている必要はありません。

相手「自分の業績のためにA案を提案しているんだろう」
×「違います。そんなつもりは全然ありません。」
〇「そうですね。A案は、B案よりも技術的な問題が少ないと思います。具体的に申し上げますと…」

相手が嫉妬や怒りで発言しているなら、すぐに答えるのは相手の感情を増幅させるだけです。もし相手が感情的になっているなら一度ブレイクを入れることです。

冷静になってもらう
ただし「そんなにムキにならなくても」とか「もっと冷静になりましょう」などという上から目線の言い方は相手をさらに感情的にするだけです。「すいません。ちょっと10分間トイレ休憩をとってもいいですか。」これを断る人はまずいません。

ブレイク後は、まず最初に今日の議論の目的は何かを再確認してから再開しましょう。もし相手がブレイクを受け付けないなら、その日はそれ以上の議論は無駄です。日にちの変更を提案しましょう。

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