プロジェクトの段取を図に落としたものがスケジュール表です。よくスケジュールを立てただけで満足している人がいますが、スケジュールは進捗を管理してこそ、立てた価値があります。進捗管理なしにプロジェクトが予定通りに進むことはありえません。

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7.7.3 進捗管理

7.7.3.1 キックオフ

プロジェクトをスタートする際に、まずやるべきことは、一緒にプロジェクトをする仲間とのゴールイメージの共有です。

キックオフミーティングなどを開く場合は、まずゴールイメージの再確認から始めましょう。
外部に部分的に委託する場合などでは、すべてのゴールイメージを伝えることができないこともありますが、ゴールイメージはできるだけ共有すべきです。

企画書、提案書、基本計画、概要設計、稟議書などがゴールイメージ共有のためのツールになります。

プロジェクトを進めていく上で、さまざまにいろいろな場面で判断が必要なことがでてきますが、このとき、それがゴールイメージに沿っているかどうかが判断基準になります。ゴールイメージが共有できていれば、それぞれが判断しても、大きく逸れることがなくなります。

7.7.3.2 確認サイクル

スケジュールは立てただけでは意味がありません。計画どおりに進捗しているかどうか確認することがスケジュールを作成する目的です。

進捗状況、作業期間によりますが、通常のときの確認サイクルは1週間単位が基本です。毎週金曜日の17時までとか、定刻を決めて進捗報告を受けます。
期間が短期のときや進捗が遅れているとき、期日ま近かのときは、毎日進捗確認をしてもよいでしょう。大幅な遅れが出ているなど、管理強化が必要な状況では、朝と夕方2回進捗報告を求めることも必要です。

7.7.3.3 進捗会議

基本は進捗会議を設けて、関係者に集まってもらい、スケジュールどおりに進んでいるか報告を受けるようにします。

プロジェクトのキーパーソンに全体の進捗状況を把握してもらっておくことは非常に重要です。

遅れがあれば、リカバリーする方法も報告してもらいます。その際に課題やすでに取り組んでいる課題解消の進捗状況を発表してもらい、参加者と共有します。
もし可能ならスケジュールをプロジェクター等で写し、その場で進捗を更新していくと余計な手間がかかりません。

7.7.3.4 情報共有ツール

プロジェクトが長期に渡ったり、関係者が大きくなればなるほど、情報を共有する仕組みを用意しましょう。

グループメールアドレス

そのプロジェクトに関わるメンバー全員に知らせるためのメールアドレスです。

基本はスケジュール表に名前が載っている実務者が対象ですが、常に情報共有しておくべきキーパーソンが居れば加えておきましょう。
ここにスケジュール上には載っていない各メンバーの直属の上司を含めてもよいですが、できれば、メンバーとその上司の2つ、またはメンバーとメンバー+上司の2つのグループアドレスを作っておくと使い勝手がよいでしょう。

掲示板/共有フォルダー

情報を共有するためのツールです。
社内のイントラネットに掲示板類のツールがあれば、プロジェクト用の掲示板を用意しましょう。ないなら社内ネットワーク上に共有フォルダを作り、そこで共有する情報を管理しましょう。

社外でも情報共有が必要なら、都度メールするか、グーグルのG Suite等の利用を検討しましょう。ネット上の無料サービスを使って共有することも可能ですが、セキュリティを考えると、有償の信頼できるサービスを選択すべきです。

インフォーマル・コミュニケーション

プロジェクト等が大きくなればなるほど、情報の透明化、風通しの良さが重要になってきます。
このため情報を共有化する仕掛けは必須ですが、定期的な進捗会議、掲示板、メ―ルだけでは、小さなリスクや個人的な不満などは出てこず見落とされます。次にそれらが表にでてくるときは、「小さな」というレベルを超えたときです。

そうなる前に対処するためには、実務者やその上司と直接会話することが重要です。特に同じフロアに居ない人とは、どうしてもコミュニケーションの機会が定例会議などのフォーマルな機会に限られてきます。

このため少なくとも週に1度は、別の場所にいるメンバーのところに出かけ、軽く声をかけ、雑談して実務者の不満や気になることを引き出す行動が必要です。

INDEX
7.7.1 プロジェクトで最初にやるべきことは明確なゴール設定
7.7.2 プロジェクトマネジメントは段取りがすべて

 

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