プロジェクトの進め方
プロジェクトには進め方があります。これがどの程度身についているかで、その人ができるプロジェクトの範囲、レベルが決まってきます。小さなプロジェクト(タスク)のやり方しか知らず、いつものやり方で大きなプロジェクトをこなしていくと、いろいろなところで漏れ、行き違い、コミュニケーション不備がでて、遠からず破綻します。

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7.7. プロジェクトでの仕事

最初は、簡単な仕事や定型の日常的な仕事が中心ですが、いずれ定型外の仕事が回ってきます。
会社としては、決まりきった仕事は、新人君や単価の安い従業員、または機械に任せ、定型でない、より付加価値の高い仕事を能力の高い(単価の高い)社員に担当させます。こうした仕事こそが、現在あるいは未来の会社の利益の源泉となります。

大は小を兼ねる
大きなプロジェクトのやり方を小さなプロジェクトにそのまま持ち込むと無駄が多くなるだけですが、小さなプロジェクトも大きなプロジェクトも基本は同じです。最初に大きなプロジェクトのやり方を学んでおけば、そこから必要な手法を取捨選択することで、さまざまなプロジェクトに対応することができます。

言葉の説明

定型でない目的の達成のために取り組む仕事を総体的にプロジェクトといいます。
似た言葉に、タスク、CFTがありますので、簡単に説明しておきます。

タスク

プロジェクトは期間をもって行われ、そこにはいくつかの仕事が含まれています。この仕事の単位をタスクといい、プロジェクトはいくつかのタスクに分解することができます。
タスクは、定例的な仕事に対しても使う言葉ですが、小さなプロジェクトのことをタスクと呼ぶ場合もあります。

CFT

プロジェクトは、自部署だけで構成する場合もありますが、規模が大きくなるほど、他部署からの参加が増えてきます。特定の部署中心ではなく、各組織から組織横断的に人材を結集し、全社的な課題に取り組むプロジェクトをCFT(クロス・ファンクション・チーム)と呼ぶ場合もあります。一般にCFTは全社的なプロジェクトに対して使う言葉ですが、あえてCFTと呼び変える必要はありません。

以下は、プロジェクトの進め方の概略です。
それぞれについて、もっと深く知りたい方のために、詳細の説明も参考にしてください。

7.7.1 ゴール設定

どんなプロジェクトであっても、まず最初にやるべきことは、ゴール設定です。
ゴール設定とは、
(1)顧客:そのプロジェクトの結果を評価するのは誰か
(2)ゴールイメージ:プロジェクトの目的は何か/求められている結果は何か
(3)期日:いつまでにやるのか
(4)予算:使える金額、人材、設備は何か
この4つを明確にすることです。

ゴールの明確化の意味
「明確にする」というのは、顧客:そのプロジェクトの結果を評価する人、またはそのプロジェクトをあなたに依頼した人と、求められる結果(ゴールイメージ)を共有することです。あなたがいくらできたと思っていても、それが顧客が求めている結果未満であれば評価されません。このゴールイメージは、数値目標と状態目標で設定します。

7.7.1 プロジェクトで最初にやるべきことは明確なゴール設定

7.7.2 段取りを組む

短時間のプロジェクトでゴールイメージが明確であれば必要ありませんが、短時間では終わらないプロジェクト、誰かと組んでやるプロジェクトの場合は、段取りを組む必要があります。

7.7.2 プロジェクトマネジメントは段取りがすべて

7.7.2.1 フォーメーション

そのプロジェクトに関わる人や部署、会社が多いなら、組織図などの関係図を作っておくと、キーパーソンが誰かわかりやすくなります。

7.7.2.2 イベント/成果物/マイルストーン

イベントとはそのプロジェクトを進める上で、関係者に対して行う行事です。キックオフミーティング、プレゼン・提案、予算承認、納品、プレスリリース、カットオーバー、発売日などプロジェクトの最終だけでなく、プロジェクトの節目となるものです。

成果物を洗い出す
成果物とは、もともとソフトウェア開発で使われていた言葉で、プログラムや仕様書などの納品物を指しますが、ここでは、ドキュメント、製品、商品、構造物などプロジェクトの結果または途中で作成されるもの全般を指します。
最初は大まかな洗出しでかまいませんが、そこからブレイクダウンして具体的な成果物を明らかにすると、成果物作成に必要な期間がイメージしやすくなります。

7.7.2.3 スケジュール/作業割当

短期間で終わるものならあえてスケジュールを作成する必要はありませんが、すくなくとも2週間以上のプロジェクトならスケジュールを作成すべきです。
プロジェクトに関わる人員、成果物/イベントを洗い出したものに、作業の順番、誰がやるのかを加え、スケジュール表に落としていきます。

7.7.3 進捗管理/中間報告

定期的に進捗状況を確認し、スケジュールに遅れがないかチェックします。遅れがあればリカバリー対策を打ちます。それでも期日内または予算内で完了することが難しいと思われるときは、代案(期日の延長、要員の追加など)をもって、あなたにプロジェクトを依頼した人に相談に行きます。これは遅れそうなら、なるべく早く報告する必要があります。基本は「悪い報告は早く」です。

7.7.3 進捗を管理しなければスケジュールを立てた意味がない
 
INDEX
7.7.1 プロジェクトで最初にやるべきことは明確なゴール設定
7.7.2 プロジェクトマネジメントは段取りがすべて
7.7.3 進捗を管理しなければスケジュールを立てた意味がない

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