コンビニは、チェーンストアのひとつですが、スーパーや外食のチェーンストアと最も大きく異なるのが、コンビニがフランチャイズビジネスというところです。フランチャイズビジネスは本部(フランチャイザー)が加盟者(フランチャイジー)に自分のブランドを使う営業権を与えるもので、加盟店は契約に応じて、ブランド使用料を払ったり、店の建築を本部に委託したり、本部の指定する商品を仕入れたりといった条件を受け入れます。
一般的な多くのチェーン店の店長が社員なのに対して、フランチャイズの店舗の店長は、本部とは別の会社か、個人経営です。

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ロイヤルティビジネス

一般的なスーパーや外食は、手ごろな価格の商品をたくさん売り、経費を抑えることで利益を得る、ですが、コンビニ本部(フランチャイザー)の利益の源は、個々の店舗(フランチャイジー)からのロイヤルティです。これは、単純化していえば、ブランド(『セブンイレブン』、『ファミリーマート』、『ローソン』など)の使用を許可する代わりに、本部が店舗に卸す商品の何%かをピンハネすることです。
フランチャイズの本部にとって重要なのは、どれだけ商品を店舗に卸したかということで、店舗が実際に儲かっているかどうかについては興味がありません。

過労死予備軍

コンビニ店舗の利益は 売上 - 仕入〈ロイヤルティ含む〉-経費 です。経費には家賃や水光熱費などが含まれますが、コンビニ店舗のオーナーが削減できる経費の中心は人件費です。
人件費を削るといっても、店舗を毎日営業する以上、パート・アルバイトの人員削減には限界があります。コンビニ店舗のオーナーが、少しでもパート・アルバイトの人件費を削る簡単な方法は、自分自身や自分の家族がレジに立つことです。バイトを100時間削って代わりに自分が働けば、100時間分の人件費を削ることができ、それがオーナーの利益になります。ただしオーナー自身の月の労働時間が何時間になろうが、オーナー自身は店の「経営者」だから、労働基準法で守ってもらえず、やがて過労死の予備軍となっていきます。

コンビニの本部にとって、店舗はしょせん別会社ですから、本部の関心があるのは、その店の商品の仕入量で、その店のアルバイトが何人で何時間働いているか、時給はいくらか、オーナーが何時間働いているか、に興味はありません。

コンビニのドミナント

ドミナント(集中出店)のメリットは、一般的なチェーンストアだけでなく、コンビニでもそれに近いメリットがあります。ただ、コンビニが一般的なチェーンと異なるのは、ドミナントを構成する個々の店がそれぞれ、別のオーナー、別の会社だということです。このため、ドミナント(集中出店)は、本部にとっての配送効率の良さはありますが、店舗がそれぞれ別の会社ですので、ドミナント内の店舗間で人や物を融通し合うなどということは、まずできません。

超多忙なクレーム店を繁盛店に戻す

その地域に初めて出店した店舗が人気店になると、客が集中し過ぎるあまり、店のキャパシティがオーバーし、店の本来のオペレーションが乱れ、来客が増えれば増えるほどクレームが増えていきます。このためその近くにもう一店舗出すと、客が分散され、オペレーションを普通の繁盛店に戻すことができるようになります。最初の1店舗の売上が普通の店舗の2倍だとすると、2店舗にすることで、1.5倍の売上の店舗2つにすることができるようになります。

コンビニ本部は1店1店の売上に興味がない

ただこれは、本部からの見方であって、店からみれば、近くに店が出れば、自分の店の売上が減ることに変わりがありません。コンビニの本部にとっての最大の関心事は、1店1店の売上ではなく、その地域トータルの売上です。近くに同じブランドの店舗が出ることで、最初の店舗の売上が80%になろうが、2店舗合計で160%になれば、それだけコンビニ本部の売上は増えるのです。このためコンビニの本部としては、店のオーナーが倒産しないギリギリまで近隣に店数を増やすことで、地域の売上を上げようとします。
本部のこの方向性が変わらない限り、コンビニのオーナーは江戸時代の百姓と同じで「生かさぬように、殺さぬように」の状態から逃れることはできません。

コンビニオーナーの過労死は防げるのか

コンビニのオーナーがこの状況から脱するには、本部と地域フランチャイズ契約を結び、勝手に近隣に競合店を出せないようにすることです。しかしこれはオーナー側によほど大きな資本がない限り実現しません。
コンビニオーナーの立場の弱さは、コンビニビジネスの構造上の問題なので、店舗の利益=本部の利益と直結するような契約にならない限り、コンビニオーナーの過労死を防ぐことはできません。
 

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 内部牽制がない会社は、いずれ淘汰される

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