名前を付けることでターゲットを明確にし、それに向かった作戦を立てることができるようになります。より具体的な数値目標を名前に組み込むと、それ自体が仕事の判断基準になります。

花粉症

例えば「花粉症」。花粉症という言葉が一般に知られるようになったのは1980年ぐらいからで、昔からある言葉ではありません。花粉症の症状、春先になると鼻水が出、目が痒くなり、くしゃみ出るなどですが、この症状は自体は1980年以前、ずっと前からもありました。それに「花粉症」と名前がつくことで、アレルギー性の病気であることが明確になり、原因究明が進み、薬が開発され、数々の対策が生み出されるようになりました。

プロジェクトなど、複数人でことを始めるなら、やること全体を表す名前を付けることです。コツはなるべく具体的な名前にすることです。
「ペーパーレス推進プロジェクト」→「人事書類半減プロジェクト」
「月次締め業務効率化プロジェクト」→「3日で月次締めプロジェクト」

名前はプロジェクトの価値観

イメージしやすい名前付けができると、それがそのプロジェクトの目的を示すものになり、プロジェクトでの価値判断を共有しやすくなります。先の例でいうなら、「そのやり方で書類は半分になるんですか」「それをやり続けることで3日間で締まるようになるんですか」。
判断が必要な時にこの問いかけを繰り返すことで、プロジェクトメンバーのベクトルを合わせていくことができるようになります。

わかりやすい名前を付けると仕事は明確になる

マネジャーの一番重要な仕事は、部下達の力を目的に向かって集約させることです。そのためには、目的、どこに向かうのかをできるだけ明解に部下達に示す必要があります。それには目的の本質を捉え、それを端的な言葉で、シンプルに伝える能力が必須です。そのためには、あえて一概に言ってみることです。

キーワードを探る

物事に単純なことはなく、範囲が広がれば広がるほど、いろいろな要素が複雑に絡み合い、本質が見えなくなります。そうした中で本質を捉え、本質を端的に表す言葉を探し出し、その言葉を軸に現状を組み立てなおす。チームや組織の力を集約するとは、そうしたキーワード探しでもあります。

物事をキーワードで定義しようとすると、「一概には言えない」とか「そんな単純なものじゃない」とかの批判がでるでしょうが、いつまでもそんな批判しか言えないようなら、それは単に、対象の本質を把握できていないだけです。

一概に言って道を開く

少なくも一概に言ってみることで、当てはまる部分と当てはまらない部分を切り分けることができます。当てはまらない部分を推敲しなおすことで、対象を整理する新たなキーワードが見えてきます。対象の8割が割り切れるならそれがキーワードです。
一概に言ってみることは、課題整理のための第一歩です。

キーワードは多くても3つまで

集約する言葉を絞り込むほど、多くの力を集約させることができます。この言葉は多くても3つまでです。いろいろ網羅しようとすれば、3つでは収まらないことも多いでしょうが、あえて3つ以下に絞り込むことで、力を集約することが可能になります。あれもこれもでは、結局何も達成できません。

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