数字で表現するものには2種類あります。一つはコードとしての数字です。これは電話番号、郵便番号や住所の番地、社員番号など、数字自体が特定のモノや示すために使われるものです。別の言い方をすると他のものと合計や平均をしても意味のない数字です。電話番号を合計しても意味はありません。

もう一つは計数としての数字です。これは金額や個数など、モノの数量や価値を示すものです。数表のメインはこちらです。この計数としての数字で数表をつくる場合は、いくつか決まり事があります。

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○:計数は原則右詰め △:計数をセンタリング

計数としての数字は、右詰が原則です。
電話番号などのコードとしての数字ならセンタリングでもよいでしょうが、計数は右詰め一択でかまいません。表の行の左端にあるNo(項番ともいいます)はコードですのでセンタリングでも構いませんが、計算に使う数字は右詰が常識です。列の全部の計数が1桁や2桁などで統一されるなら、センタリングでも可ですが、計数をあえてセンタリングする必要はありません。


表中の縦列の数値は、各行の数値の1の位、10の位、100の位の位置が揃っていないと、見る人に上下の数値との桁の違いを混乱させるだけです。

○:同じ列の小数点以下の桁数は揃える ×:同じ列で少数点以下の桁数が違う

同じ列の数値の位置を揃えるのは、小数点のある数値でも同じです。
同じ列の数字は、小数点以下の桁数をそろえましょう。また同じ列の数字の表示形式(EXCEL)は同じにしないと、数値によって位置が変わってきたりします。

○:3桁以上なら「,」区切り記号を付ける

金額や数量などの計数は3桁ごとに「,」で区切るのが基本です。逆に金額や数量以外のコード類を「,」で区切ってはいけません。番号などの長いコードを区切りたいなら、「,」ではなく「-」(ハイフン)かブランクです。
例)カード番号:1001234598760123 ⇒ 1001-2345-9876-0123  or  1001 2345 9876 0123

○:「,」は3桁ごとにつける

3桁ごとの区切りは英語の数量の数え方から来ています。
1,000 → (one)thousand
10,000 → ten thousand
10,000,000 → ten million
日本語では数字を4桁区切った方が万単位で言えてわかりやすいですが、数表中の「,」はすべて3桁ごとです。数字の不慣れな人向けに、どうしても万単位で表現したいなら、数字の横や、表の見出し欄に小さく“万円”と表記すべきです。その場合は「,」は使わないようにしましょう。
1,000万円 → 1千万円、1000万円、10百万円、10,000千円

端数処理は、四捨五入とは限らない。

端数(少数点以下とか、千円単位で表示する場合の千円未満など)は四捨五入するのが一般的ですが、決算短信など、書類によっては、切り捨てで表示することが決められているものもあります。切り捨てなどで端数処理している場合は、表の欄外などに注記するのが一般的です。

合計は端数処理前の数値で
四捨五入にしろ、切り上げ・切り下げにしろ、端数処理すると明細行の各数値を足し算したものと、表中の合計が一致しないことがあります。この場合は、合計は端数処理する前の数値で合計したもので表示します。
これは全体比率を端数処理した場合も同じです。本来全部の比率を足し算すれば100%になるはずですが、四捨五入の影響で、合計すると99%だったり、101%になることがあります。厳密にするなら、%を小数点以下2位まで増やして、より100%に近づくようにする手もありますが、%に特別重要な意味がなければ、一番構成比の大きいものプラス・マイナスして100%になるように調整しましょう。

ゼロと‐(ハイフン)は意味が違う。

数表で千円や百万円単位で表示する場合、「0」と「-」では意味するところが違います。
「0」 は値はあるけど、表示単位に満たない場合です。
例えば 短期借入金は40万円あるが、表示単位が百万円単位の場合、
「短期借入金 0 (単位:百万円)」
短期借入金が無い場合、0円の場合は
「短期借入金 -(単位:百万円)」
0円の場合は、あえて「-」とせず、「短期借入金」の行自体削除することもあります。

基本情報を記す。

報告書などに数表を埋め込む場合は、下記を記載するのが基本です。
・表のタイトル
・表中の金額の単位
・データの出典(どこからもってきたか、いつのデータか)
学術論文でもない限り、厳密性に固執する必要はありませんが、出所がいい加減なデータでは、表の信頼性が大きく損なわれます。

ケアレスミスを防ぐ

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