仕事がうまくいくかどうか、ムダなく進むかどうかは、段取りで8割が決まります。段取りとは、作業を工程に分け、一番効率的な順番に並べ替えて、そこに人やモノを割り当てることです。以下は作業ベースの段取りを組むコツです。
※定例の作業なら、新たに段取りを組む前に、先輩等から今のやり方を学びましょう。

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7.4 新規作業の段取り

7.4.1 段取りを組む際のポイント

最短動線にする

作業効率化のポイントの一つは動線を短くすることです。そのためには作業の手順・流れに沿って、材料、資材、道具類を作業場所に置き、人が移動する歩数、手を動かす距離など、動作・手順が最小で済むように配置します。

単純化する/判断を少なくする/同じ作業をまとめる

作業を効率化するには、作業を単純な工程に分解することです。単純な工程とは、単純な作業を繰り返す工程です。
例えば、資料Aを1枚、資料Bを2枚、資料Cを1枚、封筒に詰めるなら、最初から資料Bを2つに分けて置き、各山から1枚づつとって、封筒に入れるようにすると、「資料Bは2枚」という判断が不要になります。

工程を人で分担する

複数人で作業する場合は、全員で同じ作業を繰り返すよりも、工程ごとに人を分けた方が品質を均質化することができます。逆に全工程を一人で担当すると、作業者ごとに品質の偏りが大きくなります。
工程を人で分担しておくと、工程から工程に作業が移る際に、前工程での作業ミスに気付くことができます。

各工程を複数人で分担するなら、最初に1件流してみて、工程間のつながりがスムーズにいくように調整します。どこまで前工程が担当するか、どこに置いて次の工程に渡すか、そのためには、人やモノの配置をどうするか、などです。

後戻りできない工程は、極力最後にする

例えば、会議資料を作る際、資料をホッチキスで止めるとか、封筒の封を閉めるとか、発送物を梱包するとかは、あとで間違いや漏れに気づくと、ホッチキスを外す、封筒を開封する、梱包を解くといったように、元に戻すために別の作業が必要になり、その作業をやったこと自体がムダになります。間違えたとき面倒な手戻り作業が必要になる工程は、できるだけ後ろの工程にします。

機械やツールを活用する

コピー機によっては、原稿を連続で読み込み、必要な部数を印刷し、指定の個所をホッチキス留めする、などができます。これらは単純で機械的な作業なので機械でできるなら機械に任せるべきです。その際重要なのは、あとで差替え作業が発生しないようにしておくことです。そのためには原稿段階で十分にチェックする、1部だけ作成してみて、問題ないかチェックすることが大事です。

7.4.3 作業環境の整備

作業場所を確保する
作業の効率化の第一歩は作業場所の確保です。大量の準備をするなら作業場所を片付け、大量の物が置けるスペースを確保します。

材料、道具を揃える

その作業につかう材料、資材、道具類を作業場所に持ち込みます。
要冷蔵の素材でもなければ、一度に使う分だけ作業場所に準備しておきます。

7.4.4 作業確認

最悪なのは、最後にミスに気づき、大量の不良品を生み出してしまうことです。これを避けるには、工程の中に、チェック工程を組み込むことです。

モデルチェック

1つ作ったもの、または概略に対して、それで問題ないか上司に確認します。

中間チェック

大量に作業する場合は、10個づつとか、20個づつのロットに区切って行います。チェックもロット単位で行い。発生したミスを次のロットに持ち越さないようにします。

最終チェック

個々の成果物(作業結果)について、最終確認のチェックをします。
すべてについてひととおりチェックする場合、1つにつきチェック項目がA、B、Cの三か所ある場合は、1つごとにA、B、Cと頭を切替えて3つをチェックするよりも、Aだけをすべてチェック、Bだけをすべてチェックというように、単純化してチェックする方が見落としが少なくなります。

トータルチェック

複数のものを仕上げる場合は、出来あがったものを数え、最終的に指示された数量、ボリュームに足りているか確認します。数が20以上なら、10づつの山にしてカウントすると、何度も数えなおす必要がなくなります。

仕事の段取り ケーススタディ
ゴール設定がすべてを決める

 

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