営業部、経理部などはどこの会社にもある一般的な部署ですが、その中身に特別なキマリがあるわけではありません。各社各様で、会社ごとにそれぞれ別の営業部や経理部が存在します。それでもそれぞれの部署には各社共通の役割があります。

営業部の役割は
会社が存在する意義を社会に示すこと。

営業部は、会社が生み出す製品やサービスを社会にもたらす部署です。

相手先は企業や個人などさまざまですが、営業部は、会社が社会に対してどんなメリットを供給できるかを伝えていく部署です。それが社会に認められた結果が会社の「売上」になっていきます。逆に言えば、営業部が継続して売上を上げていくことができないような会社は、あってもなくてもいいような、社会にとって存在する意義の少ない会社です。それが長く続けば、遠からずその会社は淘汰されていくことになります。

経理部の役割は
会社の実態を数字で客観的に内外に示すこと。

会社の業績を客観的に評価してもらうためには、会社に係わる数字の正確性を担保する必要があります。納税や支払いを正確に行うことはもちろんですが、経理部は、その金額自体が本当に正しいことを保証しなくてはなりません。数量や単価や発生時期が実査や証票類のエビデンスによって間違いないことが保証されて初めて、その集計である財務諸表が客観的で正しいものになります。

正しい財務諸表は、経営陣の通知表であり、経営陣が戦略を評価し、企業の方向性を決める基本になります。また出資者にとっては、出資の正当性を保証する唯一無二のものとなります。経理部が経理部としての機能を果たさない会社は、徐々に、あるいは一気に社会的信用を失います。

総務部の役割は
従業員のロイヤルティを上げること。

総務部は、大概の会社にありますが、総務部こそ会社によってその守備範囲は大きく異なります。人事部が無いところでは、総務部が異動発令や採用活動をしていることもあります。広報部が無い会社では、対外的な会社の窓口を総務部が担ったりします。
もともと「総務」という言葉自体、すべての業務をひっくるめるみたいな意味ですので、社内のどこにも引き取り手のない業務は、一旦は総務部預かりということになります。

日々の総務部の業務では、従業員の慶弔、福利厚生を担当します。従業員が仕事以外のこと、家族のことで会社と関わる唯一の部署が総務部です。総務部の活動が直接会社の売上に係わることはありませんが、総務部の従業員への対応の差は、従業員の会社に対するロイヤルティ(忠誠心)の差となります。この差は従業員間の仲間意識の差となり、いざというときの会社の底力の差となります。従業員のために何ができるかを考えない総務部では、従業員の離職率が高止まりするだけです。

人事部の役割は
従業員のモチベーションを上げ、戦力を高めること。

従業員(社員、契約社員、パート・アルバイト)のやる気は、与えられた役割と達成度合いに対する報酬、評価で決まります。要は頑張った従業員を正しく評価し、それに報酬等で報いることです。従業員の評価は、直属またはその上の上司の評価によって決まりますが、評価する側にはバラつきがあり、公平で適切な評価はなかなか難しいものです。この評価者のバラつきを是正するのが人事の役割です。評価・評価基準を適正なものにし、評価者を教育することで、評価される側の不満を軽減することができます。

自分が適正に評価されていることが分かれば、それはそのまま従業員のやる気になります。逆に人事部が無能だと優秀な者から順に会社を辞めていきます。

 
スポンサーリンク